「尚にあなたの家の住所を教えたのはわたし」
笑ちゃんは早口で言葉をまくしたてる。
「ばれるのは時間の問題だとは思ってた。
尚には手紙を出すだけって言ってたのに、最後に優から送られてきた手紙にあったあいつの名前を見て、気づいたし」
「春のお母さんは新しい人生を歩ませたいからって春に起こったことを誰にも教えてなかったけど、わたしはその現場にたまたま居合わせて救急車にも乗った。
住所のことは前から引っ越すかもって言ってた春から聞いてたし。
尚に教えた理由は、手紙で思い出して欲しかったから。春の記憶をあなたに。質問ある?」
前から決められた事項みたいに淡々と笑ちゃんは話していった。
笑ちゃんはやっぱりこんな日が来るのを予測して、前々から言うことを決めていたのかもしれない。
「笑ちゃんから見て、春がいなくなった後の斎藤くんは、どうだった……の?」
「壊れた人形」
「春がいなくなった後、あいつ……尚は笑顔作ってた。何でみんな気づかないのってぐらい、卒業までずっと」

