一生に二度の初恋を『あなたへ』



笑ちゃんとの待ち合わせ場所。

公園の大通りの時計のところ。


わたしが到着すると笑ちゃんはもうそこにいて、道路に向かってしゃがみこみ手を合わせていた。


「笑ちゃん……」

「優……お久しぶり」

笑ちゃんは立ち上がると、道路の隅に置いてある菊の花に目を落とす。


「知ってた?今日、春の命日」

「……うん。お父さんから聞いた」


「そういえば去年の今日も喫茶店で会ったね、雪が降ってた。

そんな日に会おうって言われたからさ、記憶が戻ったんだと思ってたけどそうじゃないみたいだね」


「……ごめんなさい」



「何が聞きたいの?」

笑ちゃんは落ち着いているのに、今までわたしが見たことのないような冷たい目をしている。

微笑んでいるのに、笑ってない冷めきった軽蔑するような眼差し。

「聞きたいこと……なんて……」


「じゃあ何でわたしに会いに来たの?会う必要なんてないでしょ?腑に落ちないことだって沢山ある癖に。

優が聞かないなら、わたしから教えてあげるよ?」