単語だけを並べた斎藤くんは全身から力が抜けていくように手から傘を落として、頭を抱えてしゃがみこむ。
この雨さえも、拒絶するように。
自殺…未遂。頭の中で何度繰り返しても、わたしは手を震わせてただ立ち尽くすことしかできなかった。
お母さんが誰かに電話しているのが目に映る。よく見慣れた家。白く冷たい色をした電灯。隣の家の枝だけになった桜の木。
意味もなく360度を見回す。
その全てにあるのが、雨。
やっぱり雨は不吉だ。
そして最後に目を向けたのは斎藤くんだった。
動かずにしゃがんだまま固まっている。
時々わたしは斎藤くんが小さな弱い男の子に見える。
誰かを想ってがむしゃらに何かをしようとして、それが上手くいかなかったら、自分を責め立てるように内側へと塞ぎ込んでいく。

