どうすればいいって聞かれても……。
わたしだってバイバイなんて言いたくないよ?
でも。
「どうにもできないよ」
「……なぁ高梨。俺雨嫌いなんだ。今まで生きてきた中で良い思い出がないから。
好きにならせて?」
片手で傘を持つ斎藤くんのもう片方の手が撫でるようにわたしの肩に置かれて、首を傾げて子犬のように潤んだ瞳でわたしの返事を待つ。
少し焦らしたくなる程のその可愛い目。
「もう強引にはしないから…」
もう同じ失敗は繰り返さないとわたしに遠回しに宣言して、わたしの目をがっちり掴んで離さない。
もうその目が強引だよ。
あぁ。もう……。
わたしだって良い思い出に塗り替えたい。
雨の日はいつも、嫌なことが起きる予感がするから。
「いいよ」

