でも、斎藤くんの決意は固い。
これが斎藤くんの選択。
わたしは消えない。
春さんみたいに、斎藤くん残して消えたりしない。
伝わらないことにもどかしさを感じる。言葉にしてるのに、何でって。
でもわたしの気持ちが伝わったとしても、斎藤くんの意思は変わらない。
「高梨ごめん」
「………」
「俺、高梨がたまに見せる苦しそうな顔。いつか取り除きたいって、今はその分笑顔にさせようって決めてた。
なのに……ごめんな。守れなくて」
涙が落ちる。
今まで、泣き虫のくせに、斎藤くんに見せまいと隠してきた涙が、意図も簡単に零れ落ちる。

