「あ、いや……どこ回るかなぁ、とか」
……どうして。
どうして斎藤くんは、わたしに話しかけたのかな。返答をする前に、まずそのことが頭に浮かんだ。
だって今、わたしたちはそんな世間話できるような関係じゃない。
もうあのときのことは忘れろってこと?
前みたいに戻りたいけれど、うやむやにしたままは終わらせるのは何となくモヤモヤする。
だって、わたしは現にキスされてる訳で……。
斎藤くんは何を考えているのだろうか。
「第二体育館に行く……けど」
「瞬の劇、見に?」
「え……と」
――腕、離してくれない。
瞬くんを強調する意味も分からない。
「付き合ってんの?瞬と」
「――何で斎藤くんがそんなこと聞くの?」

