「ごめんっ、尚が不機嫌になったの俺のせいだわ」

「まぁそうだろうな。あいつもどっかの誰かさんと同じで分かりやすいし」


二人で同時にわたしを見て、え、それってわたしのこと?



「そういえばなっかと結愛の得意科目って何だ?」

「俺にあるわけねぇじゃん」

「わたしも……無い!!あ、けど物理なら少しだけ……」


「数学であの点数とったやつが物理なぁ……」

「うるさいよなっか。わたしだって一応理系だもん。ってかなっかと一点しか変わんなかったじゃん!!」


「あー、そういえば瞬の最高順位何番だっけな」


「話そらすなぁぁ!!」

「プッ」



ずっと我慢してたんだけど、つい吹き出して笑ってしまった。だって、二人のやり取り……面白すぎ。



「あんた笑うと綺麗じゃん」


中曽根くんがそう真顔で言うと一瞬空気が固まった。わたしも驚いて目が点になる。


あの……中曽根くん。今なんて言いました?

わたしの聞き間違えじゃなかったらおかしいよね。だってあの中曽根くんが…。


「なっかの甘口出たねー。これ出たら気を許してくれたっていうサインだから、良かったね高梨さん。

まぁこれだからなっかと仲良くなった女の子の大体は落ちる訳だけど」