一生に二度の初恋を『あなたへ』



「今日はゲームとか無しで勉強だけだからな。分かったか?尚、なっか」


「あーいよ」

「ちっ……」



斎藤くんの緩い答えと中曽根くんの舌打ちで、いつもここに来てどうなるかが想像出来て、笑いそうになった。



「じゃあ得意科目言ってこうぜ」


斎藤くんが提案すると一番に佐々木くんが答えた。



「俺は文系だから古典とか現代文だよ」

そして瞬くんの隣だから、順番から行くとわたし。


「数学なんだけど……英語もそれなりに」


『おぉー』と瞬くんと結愛ちゃんの声がして少し恥ずかしくなった。


「俺英語苦手だから高梨さんに聞こうかな。よろしく高梨さん」

「うっ、うん!!よろしくね瞬くん」


頼りにされるって嬉しいな。



「尚は方向音痴の癖に数学だよなー」


あ、斎藤くんはそうだよね。前、わたしが前先生に当てられて分からなかったとき、スラスラと黒板に数式を書いて助けてくれた。


「あぁ……まぁなってか方向音痴関係ねーよ」

低い声で不機嫌そうに斎藤くんは呟いた。

「お前……珍しくテンション低い」


「…そんなことない。俺ジュース取ってくるわ」



ドアを大きな音をたてて閉め、出ていく斎藤くん。どうしたんだろ。