「お前のほうこそ」
『ふふ。私は仕事だから。』
そういえば嫌な顔をする。おっと。勘違いしちゃったかな?
『私はキャバ嬢とか、そういう仕事じゃないの。厄介なことに手を出している少年少女、青年を助けるお仕事』
私はその少年の隣に座る。
『きみは?』
どう考えてもこの時間にいるのは・・・不良少年としか考えられない。
「・・・喧嘩しただけ」
『何のために?』
私の質問に戸惑う少年。
「・・・気晴らし」
『・・・』
気晴らしで喧嘩。それはとても多いことで。私はそれは許せないタイプなのだ。
『気晴らしで喧嘩するんだったらやめたほうが良いよ。仲間は?』
仲間が居るならなおさら・・・だ。
「いる。俺の下に何十人も居る」
ってことは暴走族か。なおさら気晴らしで喧嘩はいけませんな。
『仲間のために拳を振るう。それなら良いけど、君のたかが憂さ晴らしのために喧嘩するのはいけないことだよ。
どうせならさ、その綺麗な手、君の仲間のためにつかいなよ!
そっちのほうが絶対いいよ』
私は少年の手をつかんで言う。物凄く綺麗な手だ(赤いものはついているが)。
すっと長い手。うらやましいなぁ・・・。
「・・・」
『私は仲間のためだけに拳を振るう人のほうが凄く綺麗に見えるよ。だから、さ!仲間のために頑張ってよ!総長君』
「・・・!なんで」
『だって、君、さっき言ってたでしょ?下に何十人も居るって。その発言で総長じゃないって分からない人はこの世界ではそうそういないもん。おっと、喋りすぎちゃったね。風邪ひくから早く帰りなよ。総長君。ばいばい』
そういって私は彼の手を放す。
歩きなれない場所を歩く。
家に着くと暖かい。
「帰ってきたのか」
『なに。帰ってきちゃ悪いの?』
家に見慣れて靴が2足もあったからまさか・・・とは思ったけど。
『薙影(チカゲ)、文句があるならはっきり言ってよ。言われないで裏でねちねち言われるの嫌なの』
薙影・・・・如月 薙影 19歳は私が引き取られた如月家の次男。
顔立ちは・・・まぁ、いいほうだと思う。
茶髪に同じ色の瞳、整った顔立ちに、猫目。
「はいはい、喧嘩しない。お帰り」
『! 茅芳(チハヤ)!ただいまっ!!』
如月 茅芳 20歳。如月家の長男。黒髪に黒の瞳、顔もかっこいい。
性格も良く頭も良いのでよく勉強を教えてもらう。
「今日はシチュー作っておいたから」
『・・・もう、帰っちゃうの・・・?』
「うん。そうだね。俺も家があるし・・・。本当は も一緒に来て欲しいんだけど。父さんも母さんもそれを望んでるよ?」
『私は・・・仕事もあるし・・・暴走族の総長だから・・・。危ない位置に居るとしてもやっぱり、危険にあわせたくないんだ』
危険な場所に居る茅芳と薙影。
私も危ない位置にいるのはわかってるけど・・・、もっと危険な目にあわせるのは嫌なんだ。
「帰る」
薙影は私のことが嫌いなのだ。私は・・・・あの人の娘だから。
「薙影・・・。 、気にすることないよ。あの人の娘だから嫌ってるとか、考えちゃダメダ。また、明日、夜来るからね」
『・・・うん』
私の頭をポンポン、と叩く茅芳。この瞬間がわたしはすきなんだ。
『ばいばい!』

