蕾は、未だ言い争っている二人をそのままにし
彩乃の所へ向かった

「さっきの人だよね?
どうしたの」

ニコッと笑いかけて聞く蕾

「さっき虐められたばかりなのに笑いかけるなんて
やっぱり面白い方ね」

彩乃は微笑する

蕾は、訳が解らずキョトンとした


「いいわ許してあげる」

微笑する彩乃

蕾は、未だ理解出来ずにいたが

「本当?ありがとう」

一応お礼を言う

「仕方ないわね。
友達になってあげても良くてよ」

高飛車に言う彩乃

たが内心、蕾と友達になりたかった

彩乃には、真の友達がいない

みんな彩乃を怖がっているか、権力目当てに友達になっていた方が有利だと思っているかのどっちかだ

その事に、彩乃は気づいていた

だけど蕾とは、本当の友達になれそう

彩乃には、そんな気がしていた

「嬉しい、本当?
私なんかで良いの」

蕾は、素直に喜ぶ

「仕方ないからよ」

顔を少し赤らめ高飛車に言う彩乃

ニコッと一瞬彩乃の顔が緩んだ

蕾にようやく女友達が出来た瞬間だった。













数分後

「あれ?蕾(ちゃん)は」

やっと蕾が居なくなった事に気付いた二人だった。