いきば〜禁断の蕾〜(完結

「どうかしましたか?」

医者は、その様子に気づき
初騎を心配そうに覗き込んだ





「蕾って…誰だ?俺は一人で落ちたんだ」





疑問符を浮かべ医者を見る初騎



えっ?



蕾の頭の中は一瞬で真っ白になった



空かさず、ガバッと立ち上がり初騎を覗き込むと

「わ、私でしょ」

思わず大声を出す



「誰だお前」



初騎は、昔の様に


いや、もっと冷たい目線を蕾に向けていた…



「分かりませんか?蕾さんですよ」

気が動転して、ぶっ倒れそうになっている蕾を支えながら医者は冷静に聞く

「知らない」

短く答える初騎の言葉は、まるで鋭いナイフの様に蕾の胸を刺て来る

「直ぐに検査だ」

医者は、看護にあれこれ説明し

「大丈夫だから」

と蕾を慰める様に言うと
初騎を運びやすいベッドに移し変え連れて行った




残された部屋



蕾は一人ぼっち


また一人ぼっち




初騎は、私の事覚えて無い?



嘘?


冗談?




初騎は、そんな事言う人じゃない。


いつも冷たいけど


私が辛い時は側に居てくれるし


本当は素直な人だった