いきば〜禁断の蕾〜(完結

「初騎くん…」

いくら呼んだって返事は無い



静かな部屋には、蕾の泣き声だけだが響


ガラー

誰かが初騎の部屋に入って来た

顔を上げると医者が立っていた

「やっぱり此処にいたんだね」

優しく蕾の肩に手を置く医者

「君に話さなければならない事があるんだ」

医者は暗く言うと、蕾を見て苦く笑った

蕾も、泣き顔を医者に向ける

「どうやら彼は家の嫌われ者らしいね」

医者は、初騎を見ながら言った

「え?」

蕾は、意味が分からなく医者を見つめる

「直ぐにでも生命維持装置を外せと言われたよ」

医者は、困ったように蕾を見た

「えっ、そんな…まさか」

確かに、初騎は神宮家で浮いた存在だけど

自分達の家族でしょ?

「神宮は誰も反対しないんですか?」

軽く声を荒げる蕾


「残念ながら」

戸惑いながら頷く医者

そんなの酷い
酷すぎる

初騎は、まだ生きてるのに

「済まないが
1週間後、彼の生命維持装置は外される事にした」

医者は寂しげに、それだけ言うと病室を出て行った

蕾は、何も出来ない自分にイラツイた

どうして、
どうして初騎君なの

飛び降りたのは、私なのに…