なんて大きな学校?


だけど…


甘い甘い!


やはり好奇心旺盛な私は校内目掛けて鞄を高く放り投げ、そしてあいつらとの遊びから得た不良らしき身の熟しで楽々と塀を乗り越え校内に足を踏み入れた。


予定通り初めての学校の不法侵入に成功!


だけど一人だからか静かな緊迫感が私の全身を駆け巡る。


私は鞄を拾って肩に掛け、取り敢えず校庭に向かった。


月明かりに照らされるサッカーゴールとバスケットゴール、そして野球ネットが、


とても綺麗。


あれっ?


こんなところにバスケットボール…


実は私はバスケの幽霊部員だったりして…


私はあれ以来全く手にしなかったバスケットボールを拾った。


まさか次これに触るところがこんなところになろうとは…


ほんの一時だったけど、あの頃の私がこんな私をどうやって想像できただろう…


でも考えてみればそれは、掛葉との事も同じ…


そして私はバスケットボールを持った右手を大きく後ろに引き、バスケットゴール目掛けて思いっきり投げる!


『おりゃああああー!』


この距離から入ったら奇跡中の奇跡!


入る訳が!


でも届いた!


ゴン!


私って意外と力あるじゃん!


てか…


スポッ!


あれっ?嘘でしょ…?


入った…


…………………。


誰も見ていないこんなところで入られても…


てか私ってもしかしたらバスケ滅茶苦茶上手いのかも…



何だかとても惜しい事したな…