兆死

瑞夏side


燦々と陽光が照り付ける白昼の茹だる様な熱気…。


私はスニーカーに黒のミニスカート、そしてファスナー付きの緑のパーカーとそんな格好で、何日もただこの大都会を徘徊していた。


鞄の中身と言えば必要最低限の必需品と微々たるお金だけ…


しかし意外と用意周到だったりするのだ。


夜は絡まれたり補導されたりしたらとても敵わないけど、どうにかこうにか身柄を隠しながらここまでやってきた。


人気の少ない公園のトイレでいつも朝を迎えていた。


寝苦しいし空気も悪いしだけど、一つだけ利点がある。


そう!


用を足す時だけは非常に便利…


はぁ…


完全に人気が消えた真夜中に水道水で適当に身を清めていた。


市民の憩いの場でこんな事をしている自分が本当に浅ましく恥ずかしいけどもう慣れてしまった…


だけどこれに限っては度胸があると自分を褒めたい。


この一週間で私は一体何キロ痩せただろう…


スーパーの特売品のパン生活…


はぁ…


肉が食べたい…


ジュースが飲みたい…


お風呂に入りたい…


布団の中で気持ち良く眠りたい…


だが今が夏で良かった…



これが真冬だったら私はもう死んでいる…