だけど…


過去の私なら、今の京華と同じになってた…


ただ泣き沈んで…


思い出はなくても感覚でわかるものはわかってしまう。


でも過去の私なんて知らないよ。


今の私が私の全て。


あれから私はまた新たに決意して、もうずっとそれでいいと思ってきたから…


それでいい…


だけどこんな私は京華に何を言ってあげたらいいのか…


『お姉ちゃんなら心配しなくて大丈夫だよ。

そのうち自分の足でここに帰って来て、馬鹿みたいに京華に謝るんだからさ』


「…………」


『お姉ちゃん、多分、自分探しの旅をしてるんだよ』


「自分探し…?」


『うん。お姉ちゃんならきっと上手くやってる。

それでこれ今月のお姉ちゃんの生活費とお小遣だから、帰ってきたら渡してあげてよ。

お父さんが京華にいつもありがとう、だってさ。

ごめんね、こんな可笑な家庭になっちゃって…

だけど、お姉ちゃんは悪くないの。

悪いのは私達だから…』


「…………。掛葉…」


『え、何?』


京華は少し笑みを零して答えた。


「ありがとう。本当に変わったね…」


………………。



どんな反応を取ればいいのかわからない…