< 京華がいた頃>
一卵性双生児…
その私達は外見も内面も互いの分身とも言えようものだと私達は両親から教えられ、私はそう理解した。
掛葉は今まで私達の事をどう思い、その時どう理解したかは知らないけれど、私の場合は理解したというより、そんな事は互いの顔の似具合から、既にそういうものだろうと感覚でわかっていた。
けれど私に比べ、いや、そうでなくとも掛葉の成長振りは誰もが一目瞭然な程に何に関しても乏しく、鉛筆や箸の持ち方という程にいつまで経ってもそれら諸々を毎日の如く必死に教えている私がいた。
そしてその殆どの結果は平板…
学校の成績は見事と言いたくなる程に常にオールCをキープ。
掛葉に自転車なんか絶対乗れないだろうけれど、もし乗れたら大変な事!
転けて傷だらけになるどころか、ドブに落ちるどころか、一人で遠くに行っちゃって迷子になるどころか、車に引かれて死んじゃいそうで怖くて。
だから自転車だけは掛葉にとても教えられなかった。
そんなあらゆる事で掛葉は周りから馬鹿にされ続け、それが虐めにまで発展した。
そして私は私達の容姿が似ている事、掛葉の姉という事からそのとばっちりを喰らっているのだろう。
こんな事に不器用で鈍感な掛葉が気付いているとは思えないけど、出来ればこの事だけはそのまま気付かないで欲しいと感じる。
自分の責任だと感じ、自分を責める掛葉の顔を見たくない。
だってそれは決して掛葉の責任ではないから。
あんな虐めならもう慣れたよね?
私なら全然平気だよ。
悪いのは虐めらる私達では決してない。
悪いのは全て虐めをする人達。
私も京華もそう思っているから。
私達の気持ちを心からわかってくれるのは、そして私達を助けようとしてくれるのは幼馴染みの京華だけだった。
えーっと、だからつまり、