掛葉は幼少の頃からいつも私をお姉ちゃん、お姉ちゃん、と慕ってくれた。


妹とはこんなものなのだろうか?


別に構わないけれど、双子だし、私にとってはそんなものただの肩書きに過ぎないと思っている。


というか寧ろ肩書き。


しかし掛葉は何をしても私に引けを取る性行があり、私自身も掛葉を目下の妹だと感じてしまう事が多々あった。


そんな頃、私は他の双子の姉妹達をどんなものか見て知りたいと思った。


しかし、私達の周りにはいなかった。


ただ私達が特別な存在だからとか、そういう話ならまだ良かったのだけれど、双子というものだけに関して言えば私達はそれ程特別な存在ではなく、そんなもの探せばいくらでもいたかも知れない。


ただ出会う事ができなかった。


何故なら私達の周りには友達と呼べる人がたったの一人しかいてくれなかったから…


大袈裟だと思われるかも知れない。


それでも過去の私達にそんな現実があった事は確かだった…


何故なら私達は学校で虐められてばっかで…


だからそんな私達に近付こうとする者は、皆私達を虐めようとするものばかり…


そして小6となる春、京華(きょうか)という私達の唯一の友達は転校…


だけどそれでも私はまだ耐える事が出来た。


だって、


まだ私は一人じゃないから!


私には掛葉がいるから!



それが私の唯一の全ての支えだった。