その日の放課後。 担任が太い声で話す。 「これから体育祭の種目の係りを決めるぞー 議長出てこーい」 その言葉を聞いたとたん、樋口が後ろの私を見てきた。 「な・・なに!?」 「・・・」 何も言わずに笑ってる。 いや、怖いって。 「樋口?」 「神崎!俺らで借り物競争の係りやろう!!」 急に大きな声で言うから、クラス中の視線が一気に私たちに集まる。 「樋口大胆!!」 「やっぱ体育祭だなーッ」 「柚子ちゃんどうすんのかな!?」 クラスメイトの好奇心旺盛な視線が注がれてるのがわかる。