帰り道。

自然と樋口の隣を歩いてた私は、七菜には聞こえないように、意を決して樋口に聞いた。


「樋口・・・辛いよね・・・?」

「?まあ、そりゃ」

樋口は不思議そうな顔をしている。


「好き・・・だったんでしょ?七菜のこと」

恐る恐る樋口を見ると、ますます不思議そうな顔をしている。


「・・・樋口?」

「それ、誰情報?」

「は・・・?」

「俺、普通に佐伯は友達だよ。好きとか違うし」


・・・

・・・・・。


私は、とんでもない勘違いをしていたらしい。


「え、でもだって、あの日教室で・・・」


「あれ、転校するって事たまたま聞いちゃってそのまま相談のってたの。

泣き出しちゃってさ、冷たくするわけにはいかんでしょ」


樋口はいたずらっぽく笑うと、私の頭をポン、とたたいた。


「なーに勘違いしてるんですか神崎さん?」


そういうと樋口は、海藤の下へ走っていった。


私の心臓は、破裂寸前なのに、ほったらかして。



「・・・・あたしのバカッ・・・」