「はあ~・・・」

私は2人を残してこっそりベランダに出た。

・・・やっぱり、付き合ってもいないのにヤキモチとか、おかしいよね。

樋口が七菜のこと好きって確証もないのに、悩んでるとかきっと時間の無駄だよね。


どうすればいいんだろう・・・

もし私が七菜のこと嫌ってれば、こんな複雑な気持ちにはならなかったのに。

私は樋口が好きだけど、七菜のことも好き。(もちろん、全く別の感情だけど。)

だからこそ、七菜にも相談なんか出来なくて、結局抱え込んでる。


うわあ・・・ どうすればいいんだろ。

そんなことを思ってると、鼻の奥がじーんとして、目の辺りが熱くなってきた。



「ゆ~ずっ!どうしたの?いきなり席立っちゃってさ」

後ろからポン、と肩をたたかれた。

振り向くとそこには、雪紀がにこにこしながら立っていた。

くっそー、カミングアウトしたからすっきりした顔してやがるうっ!

「七菜なら、さっき帰ったよ。何、どしたの?」