また、3人の間には嫌な空気が流れる。
重い空気の中、初めに口を開いたのは七菜だった。
「2人とも・・・迷惑かけちゃって、ごめんね。あと、ありがと・・・」
雪紀は一瞬びっくりしたような顔をしたけど、すぐにおどけてみせた。
「なあーに言ってんの!!気にしないでよね!あたしあーゆうの大ッ嫌いなの」
雪紀が両頬にえくぼを浮かべて笑う。
「そだよ、あやまんなくていいから。だってほら、うちら友達でしょ?ね、雪紀?」
私も笑って、雪紀に視線を送る。
「当たり前ーっ♪だから、なんかされたら言ってよ?した奴んとこ行ってビシッと言ったげる」
雪紀はにーっと笑って、七菜のおでこを人差し指でつついた。
すると七菜は、私たちの顔を交互に見ると、糸がプツン、と切れたように泣き出した。
綺麗な茶色い七菜の目から、大粒の涙が次から次へと溢れ出す。
「うぅ・・・ありあとお、ふたりとも・・・ほんと、ありゃと・・・」
鼻声の七菜の声は聞き取りづらくて、ろれつがまわってなくて、私と雪紀は笑った。



