いつもとちょっと違う、照れてはにかんだような、樋口の笑顔。 大好きな、笑顔。 「俺、神崎のこと好きだ。 今一緒にこうしてられて、 ふるえるくらい嬉しいんだよ」 夢かと思った。 とっさのことに頭がついていかなかった。 それでも、胸の奥から形容しがたい、なんとも言えない感情が湧きあがってくる。 涙で視界がかすんだ。 声が震える。 嬉しくて嬉しくて、全身がしびれた。 「・・・あたしが、文化祭の日・・・ ラジオで告白したの、わかった?」