「ちょ、馬鹿かあいつら!? 何ボーっとしてんだよ!! 海藤ーッ!!行けよ!!!」 隣で樋口が慌てだす。 「落ち着きなよ・・・ ホラ、見て」 私が促した先には雪紀に近づいていく海藤。 すんごいうるさいけど、必死に聞き耳を立てる。 ・・・やっぱ聞こえない。 雪紀になにやら話しかける海藤。 頬を赤く染める雪紀。 そして、お互い手をつないでゴールへ駆け出していく。 「「うまくいったんだ!!」」 私と樋口の声が重なる。