私は係りだから、樋口と共にクラスの先頭に立つ。 「走順で並んでくださーいッ!!」 声を張り上げても、騒がしい会場ではなかなか伝わらない。 ただでさえ、みんな興奮して騒いでる。 「こりゃ、並べるの大変だな」 樋口が呆れたように小さなため息をついた。 「お前らー!!時間ないから並べ!」 樋口が声を出す。 私よりか、全然出てる。 「楽しみだな」 樋口が私を見て笑う。 八重歯が覗く、無邪気な笑顔。 私は照れ隠しに、精一杯叫んだ。