「んでね~、ここが理科室っ」

放課後、私たちは学校を歩き回っていた。


「夜蛙のホルマリン漬けが、ホルマリンの中で泳いでるらしいよ。」


海藤が佐伯さんが何も知らないのをいいことに、しれっと嘘をつく。

「ありがちですよねー、そーゆうのって。基本どの学校にもあるみたい」

それなのに佐伯さんは、にっこりと微笑むと、海藤の嘘を流した。

「佐伯っ!い、今の嘘だよっ?」

樋口が必死でフォローすると、佐伯さんはまたまた余裕の笑顔。


「うん、そんな気がした」

すると海藤はばつの悪そうな顔をしてつぶやいた。

「レベル高いな~・・・」

それを見て、私と雪紀はおもいっきり笑った。