俺は昼休み、真帆のところへ向かった。

俺が「ドブ菌」って呼ぶと
真帆は俺を怖がりながら寄ってきた。

俺は屋上まで連れていった。

━━━━━━━。

真帆、今までごめんな。

ただ言いたかった。そのために呼んだ。

「真帆、ごめんな。俺...ほんとに悪いことした。
 ほんとにごめん。」

真帆はびっくりしていた。

「なんでですか?」

と、敬語を使ってビクビクしながら聞いてきた。

「真帆、俺はずっと...お前と知り合った時から
 真帆のこと好きだったんだ。
 ずっと一緒にいて楽しくて、
 真帆が初めての友達で嬉しかった...。
 だから、ある日俺は真帆に言ったよな、
 「俺がお前を守る」って。
 真帆あんとき嬉しかったよな。
 ありがとうって言われて嬉しかった。
 でも結局俺は真帆をイジめる、最低なやつになった。
 約束守れなくてごめん、
 助けてあげられなくてごめん。
 辛い思いさせてごめん。」

俺は必死で言った。

真帆は言った。

「駿芽は駿芽なりに私のこと
 考えてくれてたんだね。ありがとう。
 私は、駿芽がそう思っててくれたってだけで、
 もぉ大丈夫だよ。
 今日のいじめも大丈夫。絶えられる。」

真帆...ほんとにごめんな。

俺は言った。

「そのことなんだけど、実は俺
 人をいじめたくないんだ。
 だから、聞いてほしいことがある。」

「え...なに??」

「俺、実は今日のいじめのやつ、ホントの
 トイレの水使ってないんだ。
 自然な水を使った。
 それで、めちゃめちゃ綺麗にしたバケツに入れてある。
 飲めるか...失礼でごめんな......。」

俺は作戦を全部言った。

「え...そんな事してくれたの?ありがとう。
 大丈夫、飲むよ。
 きれいな水は飲めるから。」

真帆はそう言った。

あぁ、ほんとにごめん。

「あ、休み時間終わっちゃう!
 嬉しかったよ。ほんとにありがと!!
 駿芽も私といるところばれたらヤバいでしょ?
 だから、気をつけて教室戻るんだよ?
 んじゃ駿芽、また放課後ね。バイバイ」

真帆は走って去った。

真帆はほんとに優しい。

どうしてこんな俺に、優しいんだろう。

ごめんな、こんな俺で。

ごめんごめんごめん...。