「…琉奈。それは流石に食べ過ぎじゃないのかね?」
「ふぇ?」
朝練のあと、授業が始まる前に早弁をしていると、チームメイトでリベロの佐藤早紀が呆れ顏で言う。
あたしの机の上には、チョコパン、鮭おにぎり、野菜サラダ、ヨーグルトドリンクが所狭しと並んでいた。
「もはや食事…。」
早紀が頭を抱えた。
あたしは口の中いっぱいのチョコパンを飲み込むと、早紀に答えた。
「いーじゃん!よく食べてよく寝るのが大きくなる秘訣だよ!」
あたしはそんな生活だったからかなんなのか、身長が170cmもある。
対する早紀は、159cmとかなり小柄だった。
「喧嘩売ってんの?買うよ?」
早紀は身長がコンプレックスらしく、目が笑ってない笑顔で指をボキボキとならして席を立ちあたしの前にたちはだかってきた。
「あああ!ゴメンゴメンゴメン!早紀怖い!」
あたしがダッシュで謝ると早紀は怒り顔のままだが席に座った。
「でも、早紀は身長がそうだからレシーブが上手いんでしょ?早紀の繋ぎのおかげでうちらスパイク打てるし!」
あたしがそういうと早紀は自慢気に
「まあ琉奈はダメダメだからなー。」
と言う。
む。結構真剣にレシーブの下手さは悩んでんですけど!
「レシーブ頑張りまーす…。」
