砂利道だから… 振り落とされないようにしっかりシンの服を握った。 「つーかゆずなの家どこ?」 「東中の近くだよ」 「了解」 シンは何度も何度もあたしが振り落とされないか後ろを見て確認した。 確認する度に少し恥ずかしそうにすぐ前を向いて自転車をこぎだす。 そんなシンの仕草を見てあたしはまたギュッと服を握った。 もうとっくに砂利道は終わってたけど、こうしてずっと服を握っていたかった。