「そ、そんなこと無いです!
嫌いなんかじゃ無いです!」
少し恐くておもわず敬語になってしまった。
「でも苦手とか思ってんだろ。」
「え、それは…」
ギクッ。今の私に効果音をつけたらこんな感じだ。
痛いところを突かれて、言葉に詰まる。意外に鋭い。
「正直、川崎のこと苦手だった。
だけど、今は少しづつ、好きになってきたよ。」
「…え?」
少し間が空いてから、マヌケな川崎の声が聞こえた。
あれ、今、私何て言った?!
好きって言った…?
「間違えたああああっ!!
好きじゃなくて“馴れてきた“だから!本当に間違えたの!!」
即効で否定する。全身全霊をかけて。
「ほ、ほら!たまにあるじゃん?
頭で考えている事と、別のこと言っちゃう事って!!」
言葉を発するほどに、自分でも胡散臭く聞こえてきて…
どうすればいいの?!
うわああああああ!!
もういっそ誰か殺してください!
恥ずかしすぎる…
