どうでもいいって思ってた


甘酸っぱい空気に浸っていると、

「なんか、あの2人さ、いい感じじゃね?」

「うわっ!?」

そこには、いかにもつまらなそうな川崎の顔があった。

鶴見が鼻の下伸ばしているから、気にくわないんだね。

それにしても、いきなり声がしたからビックリした。

い、いけない。早く返事しないと!

変な空気になっちゃう!

「そ、そうだね! いい感じ!」

しかし、間に合わなかったようだ。


「前から思ってたんだけど… 愛川って俺のこと嫌いだろ。」

いつもより低い声。不機嫌そうな瞳。

ヤバい。気まずい。