優しい声がした。 振り向けば、川崎がグミをこちらに差し出している。 「え、食べていいの?」 少し意外で、思わずたずねてしまった。 「うん。」 「ありがとう。」 グミを一つつまみ、口の中に入れた。 いつもより甘くて、優しい味が広がる。 なんだ。 ちゃんと、私の事も気にかけてくれていたんだ。 たかが、私に気を使ってくれただけ。 そんなことわかってる。 だけど、きちん私のことも見ていてくれたんだな。って思うと嬉しい。 私なんて存在感無いから、忘れられていると思っていた。