ハルはそのあとずっと不機嫌だった。
あたしがほしいぬいぐるみをとってと言ったらうるさいといい、足痛いからゆっくり歩いてと言ったらグズグズすんなといい、手がベトベトだから手を洗いたいと言えば食べ方が悪いんだと言われた。
ハルのこの対応は初めてじゃない。
ハルのくせなのだ。
あたしが他の男子と話してると、すぐこうなる。
そのたんびにあたしはハルの機嫌取りを試みるけど、ハルに機嫌取りなんて通用しないらしい。
紅葉祭が終わる寸前花火の上がる音とともに夜空には大きな花が咲いた。
キラキラと落ちてくる火花は夜空の星が落ちて来るみたいで綺麗だった。
「ハル!みてみて!花火花火っ!」
いつになくはしゃぐあたしを見てハルはため息をついた。
「毎年のことでしょ。まあ綺麗だけどね。」
あたしはハルの腕に絡みついた。
ハルの動きが止まる。
「去年は花火見てたらはぐれちゃったから、今年ははぐれ対策~」
ハルの匂いがする。
柔軟剤の匂いだ。
ハルが固まっているのがわかる。
「ハル?どうしーーー」
ハルの顔が目の前にあった。
ハルとあたしの視線があった。
「ダメだ、ルナ、ちょっと我慢して。」
ハルがあたしを抱きしめる。
苦しくて息が出来なくなった。
違う。
いつものハルじゃない。
「ハル?」
問いかけても返事は帰ってこない。
「体調悪くなった?」
ハルが首を振る。
「じゃあ、どうしたの?」
「うるさいよ、ルナ。」
「うるさくていいよ。ねえ、どうしたの?」
「黙って」
「ねえハル...」
口と口がくっつく。
あたしはハルの甚平を一生懸命握った。
離れたとき、少し名残惜しくてハルの目を見た。
ハルは優しく笑って頭を撫でてくれた。
不安とか嫌なことが一瞬で何処かへ吹っ飛ぶ。
ああ、いつものハルだ。
あたしがほしいぬいぐるみをとってと言ったらうるさいといい、足痛いからゆっくり歩いてと言ったらグズグズすんなといい、手がベトベトだから手を洗いたいと言えば食べ方が悪いんだと言われた。
ハルのこの対応は初めてじゃない。
ハルのくせなのだ。
あたしが他の男子と話してると、すぐこうなる。
そのたんびにあたしはハルの機嫌取りを試みるけど、ハルに機嫌取りなんて通用しないらしい。
紅葉祭が終わる寸前花火の上がる音とともに夜空には大きな花が咲いた。
キラキラと落ちてくる火花は夜空の星が落ちて来るみたいで綺麗だった。
「ハル!みてみて!花火花火っ!」
いつになくはしゃぐあたしを見てハルはため息をついた。
「毎年のことでしょ。まあ綺麗だけどね。」
あたしはハルの腕に絡みついた。
ハルの動きが止まる。
「去年は花火見てたらはぐれちゃったから、今年ははぐれ対策~」
ハルの匂いがする。
柔軟剤の匂いだ。
ハルが固まっているのがわかる。
「ハル?どうしーーー」
ハルの顔が目の前にあった。
ハルとあたしの視線があった。
「ダメだ、ルナ、ちょっと我慢して。」
ハルがあたしを抱きしめる。
苦しくて息が出来なくなった。
違う。
いつものハルじゃない。
「ハル?」
問いかけても返事は帰ってこない。
「体調悪くなった?」
ハルが首を振る。
「じゃあ、どうしたの?」
「うるさいよ、ルナ。」
「うるさくていいよ。ねえ、どうしたの?」
「黙って」
「ねえハル...」
口と口がくっつく。
あたしはハルの甚平を一生懸命握った。
離れたとき、少し名残惜しくてハルの目を見た。
ハルは優しく笑って頭を撫でてくれた。
不安とか嫌なことが一瞬で何処かへ吹っ飛ぶ。
ああ、いつものハルだ。
