「はあ...」
ため息を吐きながら教室に戻るとルナが俺を見つけて走ってきた。

「るい!大丈夫?」

「え、あ...うん。
大丈夫大丈夫!」

「るい、なんかあったんだろ」

「ないよ、ないない」

そう。
何にもない。
何もないよ、大丈夫。

「走りたくなっただけだって!」

そう言ってひらりと手を振って俺は席に戻る。