「るい~ご飯食べよー!」

「はいはい」

俺は苦笑する。
ルナは可愛いなって口に出したいけどルナはそれを言うと怒るから言わない。

「俺のルナなのに...」

「まあまあ!俺らは友達だよ。」

「本当に取られたら俺の立場なくなるわ」

「ハル!るい!早く食べよ!お腹ペコペコ!」

「わかったよ」

稻葉君はルナの事すごく好きなんだな。
羨ましいな。

「ほら、夏木早く来いよ」

「あ、うん」

俺は中学の頃、男子からのいじめを受けていた。
男みたいな外見で女子がたくさん俺の周りに集まるものだから嫉妬でもしていたんだろう。

でも、だからっていじめるほどか...?

わけの分からない男どもなんて嫌いだった。
だから稻葉もそんな奴らと同じだと思っていた。

「ルナ、口にご飯粒ついてるよ」

「どこ!?」

「ここ。」

「うわ、本当だ!」

「ははは。ルナは可愛いッ...ゲフン」

「るーいー!!」

「ごめんて」

俺たちは笑う。
稻葉も笑ってた。

その笑顔の先にはルナ。

ルナが羨ましいな。
そんなに愛してくれる彼氏さんがいて。
幼馴染がいて。