とにかく、受験とか今のあたしには考えられないのだ。
将来の事を小学校から上がって3年目に決めなければいけない。
将来したいことによって行く高校が違うらしいのだ。
あたしには将来の夢も行きたい高校も学力もない。
それに、行って見て体験しないとどこが自分にあってるのかなんてわからない。
「だから、高校見学って物があるんでしょ。」
ハルはきっとこう言う。
じゃあ、あたしは「見学っていいところしか見せないから意味ない気がする。」と言おう。

「高校だって、人に入ってほしくて頑張ってんでしょ。」

高校だって大手スーパーだって、その辺の小さな八百屋だってみんな用はお金なのだ。

お金がほしいのだ。
だからたくさん人を呼び込もうとする。

中学校まではギムキョウイクだから行かなきゃ行けないけど、高校って別に行かなくてもいいんじゃないかなって思ってる。

「ルナ、このゴジセイ高校行ってない奴は仕事なんて出来ないよ。バイトだってキョウソウリツ高いんだから。」

ハルは難しい言葉であたしを混乱させる。

「まあ、ルナの行きたい高校探すのくらいは手伝ってあげるから。」

ハルなりの優しさだった。