あたしは地味だけど、内気でろくに話も出来ないけど、

好きな人くらいいる。

次の英語の時間は週に1回ゆっくりあの人を見ていられる1時間。

特等席は譲らない。

急いで教室に向かってドアを開けていつもの席に座る…つもりだった。



「え?」

そこに座っていたのは紛れもなくあたしがいつも影から眺めていたあの人。

どうして?
次、体育じゃないの?

「あ、ごめんね。ここ、君の席でしょ?」

優しく笑って席を立つ。
やっぱりかっこいい。