好きだとはっきり告げてしまいたい
そうすればきっと心から凛歌を手に入れることが出来るだろう
だけど今の俺にはそれが出来ない
何故なら
プルルル
「チッ…………こんな時に誰だ?」
携帯に表示される名前に思わずため息をつく
この人のせいで俺は凛歌に言えないんだ
「…………何?」
「跡取りはどうなった?」
「だから…………黙ってろって何度言えばいいんだ…………父さん」
「あの小娘と別れる気になったか?」
そう
父さんを説得しなければ俺達は結ばれることはない
父さんは跡取りとなる子供さえ出来れば凛歌と俺を引き離すつもりだからな