車を走らせて数十分
高級ホテルの最上階
「…………鈴方凛歌だな」
「はい」
結婚してから1度も挨拶さえしたことのない李玖さんのお父さん
「まぁ、かけたまえ」
「はい」
物凄く緊張する
「早速本題へ移ろう」
「えっと…………」
「この書類にサインしてくれたら良い。君が許されるのは黙ってサインすることだけだ」
そう言って差し出された書類は
「な…………んで」
李玖さんと離婚しても鈴方財閥には投資を援助するという契約書と
離婚届
「…………お言葉ですが」
「許されるのは黙ってサインすることだけだと言ったハズだ」
「…………っ!!」
この重い空気に威圧的なお父さんの存在
だけど私はもう逃げない