時計の針は深夜の2時を回ろうとしていた。

未だ母は帰って来ない。

母と私は2DKの古びたアパートに住んでいる。

遅くまで働く母の帰りを今日も自分の部屋で一人待つ。
女で1つで17年間育ててくれている母には本当に感謝をしている。

父の顔は知らない。

母の話しでは、
昔働いていたスナックで
知り合った男の中の一人が私の父らしい…

母は凄くだらしない。
お金にも男にも…

私は贅沢は言わない。
今の暮らしだけでも十分幸せだから。

玄関の鍵を開ける音と共に母の笑い声が聞こえて来た。

私は母を出迎えよぅと思って自分の部屋から出ようした。その時、見知らぬ男の人の笑い声も聞こえて来た。

母と見知らぬ男の笑い声が玄関に入ったとたん、
途切れてしまった。そして、薄い襖の向こうから聞こえて来る
激しい母の息すがい…

私はこの襖の向こうで
母が何をしているのかは分かった。

四六時中、毎晩のように男と性的行為をしている母だから…


私は布団を頭の上からぶっかぶった。

やっぱり母のイヤらしい声は聞きたく無いから…