杉浦くんの手と私の手。

杉浦くんが水を止めたときには、私の癖っ毛で膨らんでいた髪もぺったんこになって水が滴り落ちた。


杉浦くんはそんな私を指差して笑い転げている。


私はキッと杉浦くんを睨むと、足元に転がってあったバケツを拾い上げ蛇口をひねって水をためる。


杉浦くんはそんな私に気づかず目をつむって笑い転げたまま。


私はバケツいっぱいにたまった水を、思いっきり杉浦くんに向かってかけた。


「うわぁぁあ!!」


杉浦くんは情けない顔をして、もろに水をかぶった。


私は最後のおまけにカラになったバケツを杉浦くんに投げる。


「ぐえっ」


カエルがひっくり返ったような声を出して、バケツの当たった額を抑えた。