杉浦くんの手と私の手。

でもきっとそれでいい。


それが正しい判断だと思う。


ずっと悪い子でいれば、この幸せな日々が崩れることはない。


ただ、隠したらいいだけ。


嘘をつくんじゃないよ?


隠すだけ。


私の『汚い』モノについて、なっちゃんと杉浦くんが私に何か聞かない限り、それは私が勝手にバレないように隠しているだけ。


でも、もし…。


もし、なっちゃんか杉浦くんに聞かれたら。


私は嘘を付かずに、ありのままをさらけだそう。


でも、その段階は今じゃない。


きっと今、そんな状況になれば全てダメになると思う。


もっと時間をかけて。


2人と仲良くなってから、おいおい話せばいい。


私はギュッと手の甲に貼ってあるカットバンを覆うように、もう片方の手で握った。