私が少し拗ねていると、丁度トイレ前に差し掛かった。


するとなっちゃんが思い出したように、笑いながら言った。


「あ!私、家出るときからトイレ行きたいかったんだ!!」


それを聞いた杉浦くんは、苦笑いをして言った。


「お前なぁ。男の前で女がそんなこと言うなよ!もっと恥じらえ!」


「はぁ?あんたなんか私の中で男じゃないわ!だから恥じらう必要無し!先に教室いっといて!!」


そう言ってなっちゃんはトイレの中に入っていった。


杉浦くんは男じゃないっと言われたことが、少しショックだったらしくぼーぜんとして小さく呟いた。


「え…。俺、男じゃなかったら…オカマ?」


「ぶはっ!あはははは!!」


私は思わず吹き出して声を上げて笑ってしまった。


お、面白すぎる!


そんな真面目くさった顔で、そんなこと言わないで!


しばらく笑いが収まらず、やっと収まったときには笑いすぎで目に涙が浮かんだ。


杉浦くんは少し怒ったように私に言う。



「笑いすぎだろ!」


「ごめんごめん!でも面白くって!」