私たちはとりあえず、自分のクラスに向かうことにした。


たわいもない話をしていると、なっちゃんが私の肩より少し長い髪を優しくつかんで言った。


「そういえば、キヨはこのホワイトミルクティー髪の色もどさないの?」


「んーー…」


私は掴まれた髪を見る。


一ヶ月前。


この学校に転校してくる前に染めたホワイトミルクティー色の髪の毛。


杉浦くんも頷きながら言った。


「それ俺も気になってた!似合ってるけど、転校してきたときマジでびっくりしたぜ!」


「え?そうなの??」


それは初耳だった。


まさか杉浦くんがそんなことを思っていたとは…。


杉浦くんは腕を組んでキョトンっとした顔で言った。


「そりゃそうだろ!こんな田舎町に転校生ってだけでもビックリなのに、まさかその転校生がふわふわした髪の色してんだからさ!」


ふわふわって。


私はその表現がおかしくてクスッと笑う。


なっちゃんは呆れたように杉浦くんを見つめて言った。


「あんたバッカじゃないの。ふわふわした色って何よ?ホワイトミルクティー色ってさっき私が言ったじゃん!!」