私がそう声をかけると大きな背中はビクッと飛び跳ねて、その勢いでボタンを押した。


ガタンッとパックのジュースが落ちた音と一緒に苦笑いを浮かべた杉浦くんが私を見た。


杉浦くんはいつも決まって、見られたくないことや聞かれたくないことがあったらこの顔をする。


「べ、別にー!俺なんもしてないし!」


杉浦くんは私にそう言いながら、パックジュースをとった。


「ふーん。ちなみにそれカフェオレだよ?」


「は?え!?うわぁぁ!!」


私の指摘に杉浦くんはパックジュースを見たまま叫んだ。


私はその光景がおかしくてクスクス笑う。


杉浦くんは私を睨みながら言った。


「俺、カフェオレ嫌いなのに…。お前がいきなり話しかけてくるからぁ!!」