ー奏sideー


「ごめん奏。先、帰ってて」


「え、ちょ、ちーちゃん?」


わたしが言い終わる前に、ちーちゃんは走っていってしまった














「定期、誰のだったんだろう…」

誰もいない廊下で、一人呟いた

まあ、誰であろうと関係ないんだよね、ちーちゃんは
昔からそう。他人のことにも一生懸命で、優しくて、頭もよくて…








「いいなぁ…」












「わたしがちーちゃんみたいだったら、あの人も振り向いてくれたのかなぁ…」





…なーんて、言ってみたり














??「…」





それを見ている影一つ