だからこそ、自分なりに一生懸命その気持ちに答えられるように、日に日に強くなる思いは相手に伝えていたはずだ。
好きだとか、大好きだとか。
そう言ったありふれた言葉でしか気持ちを表せなかったからだろうか。
どの言葉が、どの行動が間違えだったのだろうかと頭を働かせたが、どうやら頭は正直なようだ。思い出したくない。

ぼんやりとした意識、重たい身体が痛いくらいに事実を分かっていた。


×


どうやら彼女は、いつの間にか眠っていたらしい。母親の怒りで目が覚める。
急いで着替え、促されるままに食事を喉に通す。お風呂で目いっぱいの疲れを流し、ゆっくりと湯船を満喫した。
途中父親に顔色悪いと指摘を受けたが、それこそ適当に風邪と偽り、早く寝るよと強引に終わらせた。

瑞希は自室に戻り、スマホの電源を入れた。普段に比べると鬼のような通知である。お前らそんなに人の不幸が楽しいか、楽しいだろうなあと斜め上の視点から突っ込んでおく。
もちろん斜め上の瑞希の予想とは裏腹に、心配してくれる人が多数であった。
この世の中も捨てたものではないと、思わず泣きそうになる。

そんな中、一番上のものに目が行った。
おそらく追加していない人からのものであったが、名前で分かる。彼女の知っている中で別れたことを知っていて尚且つ相原なんて苗字は1人だけだ。
彼からは、一言。

『明日も学校に来るべき』

分かってるわと、そのまま送った。
他の人への返信のほうが忙しかった