「またかよ…」


最近屋上にはいつも先生がいた


これじゃ授業がサボれない


「そろそろ諦めて授業に行ってください」


先生は私の隣に座った


「だから嫌だって」


私は空を見上げた


今日もキレイな青空だ


「はぁ…」


私はため息をついた


「ため息ついたら幸せ逃げちゃうよ」


先生が言った


「幸せなんかないよ… 私には…」


そういえばあの人もそんなこと言ってたな


「幸せぐらいすぐそこに落ちてるものなんだよ」


先生は空を指差した


「ほら、あの空 キレイだよね これが見れるだけで幸せ」


「意味不明」


私は少し笑いながら言った


でも先生が言ってることが少しわかる気がする


「相沢さんは中学時代どんな子だった?」


私は少し考えて


「ザ・不良少女だな ケンカばっかりしてた 先生にも反抗ばっかで…」


思い出したくなかったけどやっぱり頭に浮かぶ


あの人のことが…


「けど、私を変えてくれた人がいた その人のお陰でこの
高校に来れたんだ…」


思い出すだけでも苦しいのに口にしたらもっと苦しい


「じゃあその人に感謝ですね」


先生は微笑んだ


どことなくあの人に先生は似ている


優しくて笑った顔は穏やかで


心が温かい


けどまた裏切られるのが怖い…


もう人は信じない


そう決めたから…