そのあとの生活が充実していたのは言うまでもない。
前のような暴力的なことはなくなった。
これも全部葵のお蔭だ。

帰り、一緒に帰ることもあった。

俺「本当に葵のお蔭で、毎日怯えずに学校に行けてるよ。ありがとうw」
葵「うんwwだから、いいってww一緒に帰ればいつもそればっかりなんだからw」
俺「俺、本当に葵には感謝してるから...だから,,,」
葵「うんwだから?」

あと一言が言えない。
一言でも言えれば、あともすらすら出てくるはずなのに。





ずっと一緒にいてほしい。
葵は俺にとって大切な存在なんだ。
好きだ。
付き合ってほしい。





いつからそんなことを思うようになったのだろう。
もうずっと前からな気がした。

葵と一緒に話をするだけでドキドキして...
顔が、体が、熱くなった。
これが好きってことなのか。
そう思った。

でも傷つきたくない。今の関係が崩れるのが嫌だ。
我ながらなかなかの女々しさだと思うが、実際、誰しもそうなのではないかと思う。
俺なんて、葵を...失ったら...なんて大げさか。
でも彼女がいなければ、俺は何もできないし、
また昔のように戻ってしまうのではないか。なんて思ったら怖かった。


それにまだ葵のことを完全に信じきれていない自分自身に腹が立っていた。
こんなんじゃ、ダメだ。今はまだ言うときじゃない。


俺「だから...その...何回伝えても伝え足りないから言ってるんだよww」
葵「そうなんだwww」


ちゃんと心から信じられたら言おう。

...このときは、あんなことになるなんて思ってもいなかった。