「!」

「ごめんなさいっ。考え事をしていてっ」

亜紗倉さんが必死になって?言い訳をしている。

考え事?僕の顔を見ながらか?

亜紗倉さんは何かを誤魔化すように話しだした。

「そのっ、あなたに頼み事があって」

頼み事だって?あの亜紗倉さんが僕に…!

なんだか顔が自然に赤くなる。なんでだ?

僕が勝手に慌てていると、亜紗倉さんも何故か顔を赤くしていた。

「た、頼み事っていうのは…」

大したことでもないのに、ドキドキしてしまう。

「いっしょに……学校探検してくれない?」

僕はずっこけそうになった。
ドキドキして損した!

「ねぇ。……ダメ?」

上目づかいに聞いてくる。うっ、その顔は反則だ…!

「いい…ですよ」

ついそう言ってしまった瞬間、しまったと思った。

すると案の定、亜紗倉さんは目をキラキラさせて、ニンマリと…微笑んだ。

「ありがとうっ!じゃ、早速いくわよーっ!」

っっ!ハメられたーーーーー!

「リュウっ!って、え?」

リュウに助けを求めようと思ったら、…あれ。いない。

「リューーーーウッ!!」

助けてくれーーっ!