「ちょっとあなた!」

その声の主は…なんと。

「あ、亜紗倉凛華…さん!」

その人は、今さっきまで話題になっていた人物、亜紗倉凛華本人だった。

本人はいきなりフルネームで呼ばれて不服だったらしい。

少し怒った様子で話してきた。

「人のことをいきなりフルネームなんてどんな神経してんのっ……えっ。」

なぜかいきなり話を止めた。少し驚いてるような、怖がっているような、そんな目をしている。

「あの、どーしたんですか?」

僕が話しかけても、返事をしない。

それどころが、僕の顔をじっと見つめてくる。

ほんとになんなんだ!吸い込まれそうな瞳に見つめられて、心臓がバクバクしている。

ううっ。なんかしゃべってくれ!

「亜紗倉さんっ」

もう一度呼んでみる。すると亜紗倉さんはハッと我に返ったように顔を上げた。